両協議会(公益社団法人全国国民健康保険診療施設協議会、社団法人全国自治体病院協議会)の事業運営につきましては、平素から種々ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、我が国においては急速な高齢化など大きな環境変化の中、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能としていくとの観点から医療制度改革関 連法が昨年の国会で成立・公布されたところです。その一部は既に実施され、さらに平成20年度からは後期高齢者医療制度が施行されることから、後期高齢者 の診療報酬体系の在り方について社会保障制度審議会において検討されています。
国民健康保険診療施設及び自治体立病院が従来から実施してきた、高齢者をはじめ地域住民への医療、保健、福祉(介護)に総合的に対応している全人的医療はその実績から、医療費の適正化を目的の一つとする今回の医療制度改革関連法の趣旨にも合致するものと考えています。
地域包括医療・ケアに係る認定制度は平成12年の医療法等の改正が行われたあと、「新医師臨床研修の研修科目のひとつに地域包括医療・ケアが必要であり、 その受け皿として、地域包括医療・ケアを実践している診療施設や医師の認定制度が必要ではないか」との議論があったところです。この成果として現在、新医 師臨床研修の科目として「地域保健・医療」が必須とされ、地域包括医療・ケア認定制度は検討課題とされてきた経緯があります。
しかしながら、平成20年度における後期高齢者医療制度の施行、医療保険者による特定健診、特定保健指導の実施等、今後地域医療の重要性はますます高まっ てくることから地域包括医療・ケアを実践している国保直診及び自治体立病院の関係者が誇りと自信を持って更に地域包括医療・ケアを実践し、加えて地域包括 医療・ケアに関する国民の理解を深め普及推進を図るとともに地域住民が安心して相談、利用できる体制を充実するため、この度、かねてから検討課題とされて きた地域包括医療 ・ケア認定制度を創設することとしたものです。