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令和8(2026)年6月19日に行われた国診協理事会・総会において、小野剛前会長の後任として国診協会長に就任いたしました。この歴史ある全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)の会長に就任したことは、大変名誉であるとともに、その重責に身が引き締まる思いです。会員の皆様の声を真摯にお聞きし、運営を行ってまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 国保直診の多くは、昭和36(1961)年の国民皆保険に向けて、「保険あって医療なし」の解消を目指して、昭和20年代から昭和35年にかけて全国各地に開設されました。国民健康保険制度の普及(無医村・無医地区の解消)とともに、疾病予防を当初から目的に掲げてきました。岩手県沢内村(現西和賀町)、国保沢内病院(現町立西和賀さわうち病院)での医療費無料化・乳幼児死亡ゼロ達成、成人健康手帳による医療と保健の一体化や広島県御調町(現尾道市)における寝たきりゼロ作戦、保健・医療・介護・福祉の連携・統合による「地域包括医療・ケア」の実践など全国に波及する先進的な取組みが先人たちによって実践されてきました。ゴールドプランから介護保険施行後にかけては、国保総合保健施設の設置や地域包括支援センター、在宅介護支援センター、訪問看護ステーション、介護老人保健施設などの保健福祉施設を積極的に併設してきました。 しかし、その後の人口減少、少子高齢化など時代の変化に対応するための変革が、現在求められています。このため、関係者が集まり、令和6(2024)年3月、「国保直診のありたい姿」報告書を作成しました。今後の約10年を見据えた提言や取組み例が掲載されています。特に人口減少が進む地域にあり、人材不足も深刻になる中で、国診協がさらに一歩前へ踏み出し、確実かつ円滑に次世代に繋いでいくために、今後2年間、役員とともに取り組んでいきたいと考えております。以下に重点項目を示します。 1.ブロック会議・各都道府県国保地域医療学会等への積極的参加による会員との交流 2.人材不足が深刻になる中、国保直診においてプライドを持って働くための方策の検討 3.「国保直診ありたい姿」を更に議論を深め、これにおける4つのカテゴリー毎に情報交換・情報共有の場を設置 4.各委員会・部会、若手の会の活動がさらに活性化・発展するための方策の検討 5.「新たな地域医療構想」「医師偏在対策」「医療Dx」等の施策に関する情報提供・提言 6.地域医療を守る病院協議会、日本地域医療学会、日本病院会、日本専門医機構など関係団体との連携強化 7.公益社団法人としての国診協の健全経営、事業の効率化
令和8年6月
小野 剛 前会長
過日行われた国診協総会において会長に選定され3期目を迎えることになりました。これまでコロナ禍の2期4年間でしたが、令和5年度からは国診協の主要事業である地域医療現地研究会や国保地域医療学会も通常開催することができるようになりました。また国診協内部の委員会でもWeb活用で活発な意見交換を行い、「医師の働き方改革」や「診療報酬改定」等制度の変化に関するアンケート調査を随時実施しタイムリーな情報提供を行う事ができました。更には多くの皆さまのご協力で「国保直診ありたい姿に関する報告書」を取り纏め、公表することができました。この4年間で半歩前に踏み出すことができたのではないかと思っています。しかし積み残した課題の解決や、新たな制度変化への対応、また「国保直診のありたい姿」実現に向けてのサポート体制整備など更なる取組みが必要であり、国診協がさらに一歩前へ踏み出し、確実かつ円滑に次世代に繋いでいくことが3期目に課せられた責務であると考えています。今後2年間は以下にお示しする主なテーマに新たな気持ちで取り組んでいきたいと考えています。 1. ブロック会議・各都道府県会議等への積極的参加による会員の皆さまとの交流 2. 会員施設増強への取組み 3. 「国保直診のありたい姿」実現に向けたサポート体制の充実 4. 国診協の次世代を担う「国診協若手の会」の充実と他職種への拡大 5. 国診協内部委員会・部会への若い世代、女性専門職の参加促進と充実 6. 日本地域医療学会への参画と「地域総合診療専門医」育成 7. 「かかりつけ医機能」「地域医療構想」「医療Dx」等国の施策に関する情報提供 8. 令和6年度診療報酬改定の検証と次期改定への要望取り纏めと提出 9. 大災害発生時支援体制の整備 10. 公益社団法人としての国診協の健全経営と健全運営 コロナ禍の4年間、また能登半島地震など多くの自然災害が発生する中で日本全体がつらい思いをしてきました。国保直診の多くは高齢化と人口減少が先行して進む地域で厳しい医療環境の中で奮闘しています。このような状況の中ではレジリエンス(resilience:跳ね返す力)を高める事が必要ではないかと考えています。全国の国保直診がレジリエンスを高め、直面する多くの困難をしなやかに対処し乗り越える事ができるよう、会員施設と有用な情報を共有し必要な支援を行える組織として国診協運営を行っていきたいと思っています。 今後も皆さまのご理解とご協力を頂きますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
令和6年6月
能登半島地震が発生して3ヶ月が経過しました。この地震で尊い命を失った方々のご冥福をお祈りするとともに被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。能登半島の国保診療施設における医療機能の早期復旧と能登半島の復興を願っています。 全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)の会員施設の多くはへき地・離島・中山間地域など高齢化と人口減少が先行して進む地域に立地しています。多くの施設ではコロナ禍も相俟って外来・入院患者数が減少し、看護師はじめ専門職種の確保が困難になるなど多様な課題を抱え厳しい施設運営を強いられ、今後持続可能な施設運営を行うための方策をどのように立てていくか悩ましい状況に直面しています。国診協では今後の国保直診の運営計画に寄与すべく、概ね10年後の「国保直診のありたい姿」を検討し取り纏めを行い、3月に公表し4月中に会員施設にお届けする予定です。多くの会員施設において近未来の施設運営の参考にしていただければ幸いです。 さて厚生労働省では昨年「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の3つの柱」を提示しました。この内容はこれまで国診協会員施設が取り組んできた「治し、支え、寄り添う医療の実践」「多職種連携による地域包括ケアシステムの構築」等と同じ方向性であり、地域包括医療・ケアのフロントランナーである我々国保直診は今後も地域包括ケアシステムの中でハブ機能を十分に発揮し、水平連携を推進することで地域住民の安心の拠点として活躍していきたいと思っています。 令和6年度は制度改革の節目に当たる年であり、医師の働き方改革や第8次医療計画、診療報酬、介護報酬の改定などの制度改定がスタートします。種々の制度の変化に対し適切に対応することが求められる年になります。また、今後はICTやAIなど医療Dxが推進され新たな地域医療戦略を検討する時代が到来します。国診協としては会員の皆さまとの絆を大切にし、時代や制度の変化に乗り遅れないよう有用な情報共有に務めるとともに次世代を見据えた運営を行いながら皆さまと共に前に進んで行きたいと考えています。 今年度も皆さまのご理解とご支援を何卒よろしくお願いいたします。
令和6年4月1日