Step1 …コンセンサスの形成
〇各関係各所の事前調整
上市町役場総務課(防災担当)、上市町福祉課、上市町社会福祉協議会、かみいち総合病院の関係者が集まり、
「上市町の災害対応の現状(災害時における要援護者の把握状況、支援体制の整備状況の現状等)」、
「事業の目的と取組みの概要説明及び事業の実施方法及びスケジュールの確認」に関する情報を共有した。
(3回開催)
Step2 …モデル対象地区の選定
〇モデル対象地区選定の検討
社会福祉協議会の協力のもとモデル地区の選定についてアドバイスを受ける
「災害時要援護者申し出カードリスト」を参考に法音寺地区より選定
■モデル対象地区
上市町法音寺地区
人口:578人、高齢化率:28.1%、世帯数:208世帯、要支援者名簿登載人数24人
地域環境:上市町の中心部で町内では比較的住民が密集している地区である。
上市町を流れる河川を大別すると、上市川水系、白岩川水系及び剱岳に源を発する早月川水系の
三つに分けられる。
いずれも一気に日本海に注ぐ急流のため、過去に幾多の水害を経験している。
また、町中央部には高峰山断層、東部には牛首断層、平野部には魚津断層が存在している。
○モデル対象地区への事業説明会の確認
モデル地区区長、民生委員、要支援者の担当ケアマネジャーに対し「事業の目的と取り組み概要説明」、
「上市町法音寺地区を事業実施候補とした理由の説明」、「事業実施方法及びスケジュール」等を説明・確認し、
自治会としての協力同意を得た。
■(参考)上市町における過去の災害履歴
S27.7・大雨/S38.1・豪雪/S44.8・大雨/S55.4・強風/S56・豪雪/S62.9・大雨/S63.6・大雨/
H7.7・大雨・落雷/H7.11・強風/H10.8・大雨/H16.9・強風/
H24.4・強風(上市町地域防災計画より抜粋)
■(参考)上市町災害時避難行動要支援者登録制度(要支援者名簿)
◆災害時避難行動要支援者とは(対象者)
①介護保険の要介護3以上の認定のある方
②身体障害者手帳の1、2級をお持ちの方
③療育手帳Aをお持ちの方
④65歳以上のひとりぐらし高齢者の方
⑤その他、支援が必要と認められた方
◆登録方法
申し出カードを記入の上、福祉課まで提出
◆名簿情報の提供について
この名簿の対象者のうち、これまでの災害時要援護者名簿に登録されている方や、
情報提供に同意を得られた方については、平常時から自主防災組織、民生児童委員、町内会、富山県警察、
消防団、その他避難に支援等の実施に携わる関係者へ名簿情報を提供する。
◆個人情報の取り扱いについて
名簿情報の提供を受けた避難支援等関係者には法律に基づく守秘義務がある。
個人情報は、町及び避難支援等関係者において適正に管理し、避難支援にかかわる目的以外には使用しない。
Step3 …チームの編成
<参加者>上市町福祉課、居宅介護支援事業所、ケアマネジャー
・事業の取り組みについて説明
・対象者候補について説明…法音寺地区介護保険利用者で、
災害時に自主的に避難し自立した避難生活を送れない人を挙げてもらう
Step4 …対象者の選定
1. 法音寺地区の要支援者名簿掲載者24人の内、法音寺地区の介護保険サービス利用者で、
災害時に自主的に避難し自立した避難所生活を送ることができない人
→上市町内の居宅介護支援事業所、地域包括支援センターで11名を抽出
2. 個別計画対象者リスト・災害時要援護者申し出カードリストより選定
ケアマネジャーの対象者は1名とする。(候補者8名)
◆担当ケアマネジャー・民生委員対象に作成作業の説明
①対象者への説明と同意について
・担当ケアマネジャーより説明し同意書に記入
・担当ケアマネジャーがいない方は民生委員から説明(住民自身が記入)
②アセスメントシート記入およびケアプランの作成について
③まち歩きの説明
「災害時要援護者申し出カードリスト」から介護保険対象ではないが、
自主的に避難できない方を挙げ、民生委員に協力を依頼する。
↓民生委員に同行していただき8人に対して事業説明を実施
3.事業説明をして同意が得られた方8人を対象
対象者(内訳:男性3人、女性5人)
一人暮らし高齢者2人、高齢者世帯1人、同居世帯5人、介護認定者6人、身体障害者手帳所持者1人
4.その他
上市町消防署・警察署へ事業の説明と協力のお願い
Step5 …防災マップの確認
○現地踏査の実施
目的:震度7程度の地震が発生した際の車椅子等での避難を想定し、要援護者が安全に避難所まで避難できるよう、
避難ルートとなりうる公共通路の状況、災害時に役立つ場所、地域資源などを確認する。
日時:平成30年1月13日(土)13:00~16:00
≪スケジュール≫
13:00~13:30 事業の概要説明、自己紹介、まちあるきの説明、グループミーティング、
ルートの確認、要援護者の情報共有、役割や物品の確認
13:30~14:30 4ルートに別れて まちあるき
消火栓の確認、地下道の確認、用水、側溝の確認、倒壊の恐れがある建 物等の確認、
要援護者宅への挨拶・ヒアリング、積雪時、車椅子で避難する場合の課題の確認、
避難所(音杉コミュニティセンター)まちあるき各ルートのゴール地点
14:30~15:30 ルート毎に防災マップの作成、発表
15:30~16:00 個別計画書の確認
場所:上市町法音寺地区・音杉コミュニティセンター
参加者:27名
上市町法音寺地区(6名)自治会長、対象者担当ケアマネジャー
上市町役場・関係者(21名)かみいち総合病院、上市町総務課・福祉課保健班、地域包括支援センター、
上市町 消防団、上市消防署、上市警察署
Step6 …要援護者に対する支援計画書作成
○個別計画策定の実際
ケアマネジャーに記載を依頼、ケアマネジャーがいない方は民生委員に依頼(住民自身が記載)
◆個別計画作成であきらかとなったこと
・個別計画のために改めての作成は負担増、日常の仕事のなかで作成できないか?
・介護予防の方の場合は全く様式が異なる
・改めて支援者名簿への登録を希望する方がいた
・非常持ち出し物品を用意していない方がいる
・予備薬は何日分が妥当か?公にお願いできるか?
・家具の固定が不十分
・避難所が地区内に複数個所あり
Step7 …地区住民対象説明会の開催
まち歩きの結果については平成30年4月に地域住民に報告会を開催予定。