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H1

介護保険制度の適正円滑な実施に資するための歯科口腔情報提供モデル事業

主要調査研究事業詳細

2000/03/31

介護保険制度の適正円滑な実施に資するための歯科口腔情報提供モデル事業


目的

平成12年4月から介護医療保険制度がスタートする。
本事業は歯科専門家が要介護認定を受けた在宅要介護者または施設入居者について作成した口腔情報提供書を担当介護支援専門員に提供し、介護サービス計画に口腔ケアが適切に組み込まれるよう推進することである。

事業内容

事業主体は全国43ヶ所の国保直診歯科診療施設を主とし、地元歯科医師会と連携をとって参加した歯科を標榜しない国保直診においても、歯科専門家が要介護認定を受けた要介護者を訪問調査し、「口腔情報提供書」を作成し、それを担当介護支援専門員に提供、その有効性、利用状況をアンケート調査した。対象者は1,627名(男性607名、女性1,020名)、平均年齢は81.1±8.6歳、在宅要介護者は1,174名、施設入所者は453名であった。アンケート回答のうち、口腔情報提供書の利用状況が明記してある811件の分析をした。

事業成果

口腔情報提供書の口腔ケアプランをそのまま採用32.4%、一部採用12.1%と約45%が介護サービス計画書に口腔ケアを組み入れていた。多くが口腔ケアサービスが組み込まれることになり、非常に有効な事業であったと思われる。ただし、現在訪問口腔ケアを利用しているが口腔ケアを組み込まなかった:24.7%、情報提供書を参考にしなかった:4.9%と、約30%で口腔ケアサービスが介護保険では組み込まれないことになり、今後の大きな課題である。口腔情報提供書を参考にしなかった理由は、「利用者または家族が口腔ケアを望んでいない」(36.1%)、「口腔ケア以外に優先すべき課題がたくさんある」(16.4%)であった。口腔情報提供書を採用したケースの特徴として、現在訪問歯科治療又は訪問口腔ケアを利用しているケースでの割合が高い。今回の事業を通じて、さらに、口腔ケアの重要性と情報を活用する仕組みの推進が重要である。

報告書

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