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2004/03/31
高齢者の介護予防ならびに要介護状態に陥る可能性が高い脳血管障害等を発症した高齢者の口腔機能の維持、向上を目指す口腔機能リハビリテーションの指針を作成することを目的に、モデル施設において、一定期間口腔機能リハビリテーションを実施し、その効果について評価を行うこととした。
◆実施施設:国保直診31施設 ◆対象者:脳血管障害等により口腔機能に障害があり、改善に向けたケアが必要な入院・入所者・在宅療養者(認知期、咀嚼・口腔期、嚥下・食道期障害)。各施設10名程度。回収症例数は248件。 ◆実施方法:ベースラインの測定→介入プログラムの決定→介入プログラム・定期的評価の実施→最終評価の実施の流れで実施 ◆介入プログラム:基本メニュー(①呼吸訓練②頸部のリラクゼーション③口唇の運動④舌の運動⑤顎の運動⑥ブローイング)および選択メニュー ◆先進的取り組み施設のインタビュー調査 ◆口腔機能リハビリテーションの普及に向けた実践マニュアル作成 ◆実施期間:平成15年10月から平成16年1月まで
急性期、回復期、維持期ならびに終末期それぞれの口腔機能リハビリテーションを、基本メニューならびに選択メニューに応じてモデル事業として実施し、改善状況について評価した。 巻き取りテスト、口唇運動、舌苔量、口腔清掃回数、軟口蓋運動、口臭、BDR指数(義歯装着)、義歯の状況等で高い改善が得られ、咀嚼・口腔期における障害ありの割合の減少、食事内容や食事の自立度等といった食行動面の改善も確認された。 今後の口腔機能リハビリテーションを普及させる上では、看護職のみに依存するのではなく、対象者の実情に応じて効果的かつ効能的なメニュー設定と実施頻度を選択して実施するための、あらゆる職種のネットワーク構築の必要性が示唆された。
・報告書 ・マニュアル「口腔機能リハビリテーションの普及に向けた実践マニュアル」
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